Q.リンサーとエクストラクターの違いは何ですか?

機械の形状も似ていますが、バキュームホース・スチームホース・ウォンドなど似たようなアイテムを使用することからよく混合されます。

両方ともカーペットクリーニングに使用する機材で、”吐出と吸引”ができるという点で同じ機能を持つ機械ということになります。ただ、機能は同じでも構造がかなり違います。

そして、構造の違いがもたらすのはパワーであり、”施工できる工法の違い”ということにつながります。一見、同じような施工に見えても、二つの機材が行う施工は結果に大きな違いをもたらします。

<リンサー(弱リンサー)>

リンサー(弱リンサー)で行う施工は2ステップ工法(シャンプー工法)となります。
意図的に吐出量を少なくコントロールして、カーペットパイルの先端だけを濡らす工法です。

使用方法としては・・・
①カーペットの表面にシャンプー剤を撒きます。
②ポリッシャーに先割れブラシなどの柔らかいブラシ、またはマジックパッドを装着し、シャンプーして泡立たせます。
(基本的にカーペットパイルの先端部分だけを洗う・濡らす)
③リンサーを使用して泡を回収します。
(この時に吐出量を少なくし、パイルの奥底まで濡らさないようにします)
バキュームは通常1ステージ、または2ステージを搭載しています。
ポンプ圧は50~100psi (4.5kg/㎠~7.0kg/㎠)
吐出量は1ℓ/分程度。
コスト的にも安価で、自洗機などもこの部類です。

<エクストラクター(強リンサー)>

アメリカでは通称“ポータブル”と呼ばれ、スチームクリーニング工法に用いられます。
使用方法は・・・
①前処理剤を噴霧します。
汚れに比例するくらいの量をしっかりと撒きます。
②ポリッシャーにパイルの底までしっかり掻きあげられる程よい固さのブラシ、またはマジックパッドを装着して汚れを分解します。
③エクストラクターで回収剤を吐出しながら汚れを回収します。
しっかりと洗い、しっかりと回収する。
まるでカーペットを洗濯機の中でがっつりと洗うような工法です。

機械の構造上、吐出量は簡単に上げられます。
でも、実は回収力を上げることが非常に困難なのです。
カーペットクリーニングは吐出量と回収力とのバランスが取れないと、様々なトラブルを引き起こします。
失敗例としてよく見られるのがオーバーウェットです。
これは典型的な回収不足ですね。

<吐出量とバキュームとの相関例>

1.0ℓ/分 ~ 2.0ℓ/分  ⇒ 5.7インチ3ステージバキューム1機 9~10amp

2.0ℓ/分 ~ 3.0ℓ/分  ⇒ 5.7インチ2ステージバキューム2機 14~16amp

3.0ℓ/分 ~ 4.0ℓ/分 ⇒ 5.7インチ3ステージバキューム2機  21~24amp

以上のようにスペックが決まってきます。

日本の電気供給事情から、3.0ℓ/分 ~ 4.0ℓ/分 ⇒ 5.7インチ3ステージバキューム2機タイプが、2電源必要になります。
また、電気式交換機(ヒーター)は1500Wが最大熱量となり、3.0ℓ/分 ~ 4.0ℓ/分 の流量では熱交換が不可能です。
温水にはできないということで、ヒーター機能を持たすことで、15アンペアーの電療を使用する意味がなくなります。

ぜひ参考になさってください。
実際にどちらを選べば良いのかは・・・リンサー・エクストラクターの選び方で!

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