残留洗剤の力と回収剤を使用する理由

回収剤には、“残留洗剤を回収”する効果があります。

これが何なのか、ご説明します。

下の写真は、カーペットクリーニングの際に水だけでポリッシャーを回した写真です。

なぜこんなに泡が出るのか?

答えは、“以前にクリーニングした時の残留洗剤がのこっているから”です。

原因は、回収剤を使用しなかっただけではありません。

ウォンドの引き方が悪かったり、エクストラクターのジェットとバキュームのバランスが悪いことも原因の一つです。

しかし、大きな要因として回収剤を使用しないことが挙げられます。

このままにしておくとクリーニングが終わってから様々なトラブルが起こります。

すぐに現れるのが再汚染です。

再汚染の一番の原因は、クリーニング後も洗剤がそのまま残っていることです。

水が残っていても問題はありません。

前処理剤に入っている界面活性剤がネバネバの粘着質として残り、歩行時に汚れを取り込んでしまいます。

前処理剤には、パウダーとリキッドがあります。

クリーニングの際は、これらをお水やお湯で希釈して使用します。

乾く際、パウダーはパウダーに戻りやすく、リキッドは粘着物として残るケースが多いです。

つまり、再汚染の原因はリキッドの前処理剤を使用して、そこを回収しきれないと起こることが多くあります。

粘着物が残るとクリーニングしてもすぐに汚れていきます。

これはウィッキングと呼ばれる“浮きジミ”の原因にもなります。

カーペットの繊維の底に汚れが溜まっているとします。

これは酸性です。

表面に前処理剤を撒くと、表面がアルカリ性になります。

酸性とアルカリで同じ液性になろうとする現象が起こるので、底の方の汚れが上に上がってきやすくなります。

そして浮きジミが出やすくなります。

表面が中性だと、酸性の汚れはすぐには表面に向かって上がってこなくなります。

回収剤にはこんな大きな効果があるのです。

残留洗剤がアルカリ性であったりすると、素材を傷めて風合いを損なってしまったり色の変色が起こったりします。

粘着物が残るとクリーニングしてもすぐに汚れていきます。

カーペットの前処理剤と回収剤の記事で洗濯機の例を挙げましたが、前処理剤だけでは首周りの汚れを取る洗剤だけでクリーニングしているのと同じです。

アメリカで前処理剤を“トラフィックレーンクリーナー(重歩行路線用洗剤)”という理由が解りますね。

トラフィックレーンが首周りの汚れです。

ブラウニングゴワゴワ感の防止も回収剤の仕事です。

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